雨宮梨奈監禁事件

主要登場人物の詳細については、こちらも参照のこと。

その他の登場人物

矢場 茂男 逃走中の宝石店強盗犯。52歳。元暴力団員。拳銃を所持している。2人組の主導的立場。
灰中 拓三 逃走中の宝石店強盗犯。50歳。元暴力団員。拳銃を所持している。かなり荒っぽい性格。

注意点

  • 今回のお話の舞台は沖縄ですが、米軍基地などの政治的とも受け取られかねないようなワードの使用は避けてください。
  • 今回登場する犯人たち(矢場と灰中)は、単純な悪党として描いてください。「過去に複雑な事情があった」みたいな描写は一切不要です。
  • プロット案の文章中の登場人物の台詞は、一言一句そのままで同じでなくても結構です(多少アレンジして台詞を変えても結構です)。
  • 今回のエピソードでのイサムは、普段着ている7分袖テーラードジャケットを脱いで、左図イラストのような涼しげな恰好をしています。

あらすじプロット

  • 日頃の事件解決の活躍の労に報いるとして、武智探偵から沖縄旅行をプレゼントされた、相馬晴彦雨宮梨奈イサム・ルワン・ラーティラマート不破詩織の4人。
  • 海で思い切り楽しそうに遊ぶ晴彦たち4人。
  • 泳ぎを終えて、宿泊しているビーチ沿いのリゾートホテルへと戻る晴彦たち。
  • ちなみに4人は、晴彦とイサム、梨奈と詩織で、男子と女子に二人ずつ分かれて別々の部屋に泊まっている。
  • ホテルの部屋で水着から服に着替える最中に梨奈が何気なくつけたテレビで、那覇市内で発生した宝石店強盗事件の犯人である、矢場茂男容疑者(52)と灰中卓三容疑者(50)の2人組が、依然として逃亡中であるとのニュースが流れるが、梨奈も詩織もニュースを聞き流して特に気にも留めない。
  • いつもの私服に着替え終わってホテル内のレストランで合流した4人は、午後のそれぞれの計画を話し合いながら昼食を取る。
  • 食後、晴彦とイサムは散歩がてら近くの琉球王国ゆかりの史跡を見に出かける。そして梨奈と詩織は女の子二人だけでショッピングを楽しもうと、ホテル近くのショッピングモールへと出かけることにする。
  • ホテルを出ようとしたところで、梨奈は忘れ物(携帯とか財布とか)に気が付く。そこで詩織に先にショッピングモールに行ってもらい、自分は後から追いかけることにする。
  • 一人で部屋に戻り、忘れ物を見つけて再び部屋の外に出る梨奈。しかし不注意から、エレベーターホール前の廊下で人相の悪い二人組の男(矢場と灰中)とすれ違いざまにぶつかってしまう。
  • ぶつかった瞬間、なんと灰中の懐から拳銃らしき物が床に落ちる。それを目撃してしまう梨奈。
  • 男たちは慌てて梨奈の口を塞いで騒げないようにする。「んんー!! んんー!!」と呻き声を上げながら抵抗する梨奈だったが、拳銃を突きつけられて「騒ぐな!」と脅され、同じ階にある男たちの泊まっている客室の中へと強引に連れ込まれてしまう。
  • 一方その頃、一足先にショッピングモールに着いていた詩織は、買い物やウィンドウショッピングを楽しんでいたが、いつまで経っても梨奈が現れないことに心配する。そこで彼女の携帯に電話をかけてみるが、一向に繋がらない。

挿絵提供は、リウム様。

  • 梨奈は、変装して潜伏している矢場と灰中の泊まっている部屋の中に監禁されていた。
  • 口には猿轡を噛まされ、手足も縛られてベットの上に寝転がされている梨奈。
  • 詩織が電話をかけて来たので、梨奈のスマホに着信音が鳴るが、矢場は梨奈のホットパンツのポケットからスマホを取り上げ、一方的に電話を切ってしまう。
  • なんとか脱出して、この事態を晴彦たちに伝えようとする梨奈。しかし矢場と灰中が常に近くで見張っているため、身動きが取れない。
  • 矢場と灰中は、「お前がドジを踏むからこんな面倒なことになった!」「なんだとこの野郎!」などと互いを罵倒し、口論を始める。
  • 男たちの飛び交う怒号に、梨奈は怖くて小刻みに震えている。
  • 梨奈は心の中で、「晴彦、早く助けて!」とつぶやく。

  • 詩織から「梨奈がいなくなった!」との連絡を受け、急いで駆けつけて来た晴彦とイサムは、ショッピングモール入口で詩織と合流する。携帯の通話が無言のまま一方的に切られたところから見て、梨奈の身に何かが起こったのは間違いない。直ちに梨奈の捜索を開始する晴彦、イサム、詩織の3人。
  • 場面は再び、梨奈が監禁されている部屋へ。
  • 矢場と灰中の会話から、どうやら2人は海外へ高飛びを企てているらしい。男たちの海外逃亡の段取りについての会話を冷静に聞き取り、頭の中に正確に記憶する梨奈。
  • 梨奈のホットパンツからはみ出る生足にふと視線を向けた灰中が、いやらしい目つきで見つめながら両手を伸ばして、身動きの取れない梨奈に迫る!

灰中「お嬢ちゃん、女子大生だよな? 最近の女子大生はキレイな太ももをしてんなぁ。

 どれ、少しオジサンにも楽しませてくれや!」

梨奈「んっ…? んんーっ!!んんーっ!!」(⇦涙目になりながら必死に抵抗する。)

矢場「やめておけ!」

灰中「いいじゃねえか! 少しくらい楽しんだってよ! ここ最近女の体とも大分ご無沙汰なんだから」

矢場「やめておけと言うんだ。今は無事に国外脱出できるかどうかの大事な時だ。余計な騒ぎを起こすな。

 それに海の向こうにさえ渡っちまえば、そんなガキよりもいい女はより取り見取りだ」

灰中「それもそうだな。ひっひっひ……」

  • 沫やレイプされる寸前というところで、矢場の「そんなガキ」という言葉には(子ども扱いされて)少しムッとしたものの、何とか助かった梨奈はひとまず胸をなでおろす。
  • そんな梨奈に、今度は矢場が近づき声をかける。

矢場「運が悪かったな、お嬢ちゃん。命が惜しかったら俺たちの言うとおりに大人しくしているんだ。

 海に放り込まれてサメの餌になりたくなかったらな!」

梨奈「・・・・・・」(⇦「負けるもんか!」と気丈に矢場を睨み返す。)

  • 梨奈は心の中で、「負けてなんかいられないよね。私は武智探偵事務所の雨宮梨奈なんだから!」と自分に言い聞かせ、懸命に恐怖心を抑えて自分を勇気づける。
  • 一方その頃、晴彦たちは懸命に梨奈の行方を捜していた。
  • 近くの交番にも一応相談するものの、「携帯がつながらない」程度では警察は動いてくれない。
  • 梨奈を探す晴彦たちの表情にも、焦りの色が出始める。

矢場「そろそろ行くか?」

灰中「それじゃあお嬢ちゃん、元気でな。明日になればきっと誰かが来てくれるだろうさ」

梨奈「・・・・・・」

  • 矢場と灰中は、縛られている梨奈を部屋の中に放置したまま、どこかへと出かけて行った。どうやら日本から離れる段取りが付いたらしい。
  • 部屋の中は自分一人だけになり、脱出のチャンスと見た梨奈はベットから起き上がり、両足も縛られているため部屋の中をぴょんぴょん跳ねながら、何か脱出あるいは外部に危機を知らせるために役立ちそうな道具はないかと必死に辺りを物色する。
  • とりあえず「んんー!! んんー!!」と大きく呻き声を上げてみるが、外部に聞こえている様子はない。
  • ちなみにドアは内側からは開けられないように細工されている。
  • 部屋の中にある固定電話からフロントに電話をかけようとする梨奈だが、用心深い男たちは事前に固定電話の回線を抜いて引き千切っていた。
  • 次にメモ帳とペンを見つけた梨奈。縛られたままの不自由な両手を使い、自分が今いる部屋番号と「HELP(助けて)」の文字をなんとか数枚のメモに書く。そしてそれをホテルのベランダから外に向けてばら撒く。
  • ちょうどタイミングよく、外で梨奈を探していた晴彦がそのメモを見つけて拾う。梨奈の居場所がわかった晴彦たちは、ホテルの従業員に事情を説明して、部屋の鍵を開けてもらう。
  • 無事に晴彦たちに救出される梨奈。

梨奈「バカッ…助けに来るのが遅いわよ。本当に…本当に怖かったんだから!」

晴彦「遅くなってごめんな。もう大丈夫だから」

イサム「よく頑張ったね、梨奈ちゃん」

詩織「無事でよかったのです」

  • 梨奈は涙ぐみながら晴彦に抱き着く。
  • 晴彦は、そんな梨奈を優しく抱擁する。
  • 梨奈からの情報提供で、地元警察が素早く動き、夜陰に紛れて密航船に乗り込もうとしていた矢場と灰中は、海岸沿いの場所で沖縄県警に逮捕された。
  • 翌朝、ホテルを予定通りチェックアウトする晴彦たち。晴彦たち3人は「今回は梨奈のお手柄」と持ち上げるが、梨奈は「あんな怖い思いはもうたくさん」と愚痴をこぼすのだった。